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マザーポート特別対談再婚という幸せ【シングルマザーの恋愛】母子家庭同士で語る恋愛について

精神的にも経済的にも依存してはいけないと思う。

第7回 「シングルマザーと恋愛」

恋愛とシングルマザー、これってちょっとタブー視されていたりするじゃないですか。世の中ではなにか事件が起きたりするとね、シングルマザーのくせにとかニュースが出たりするじゃないですか。でも恋愛って悪いことじゃないと私は思っているのですが、お二人はどうお考えですか。
だって独身ですからね。日本人の考え方だとどうしても母親を強く持っていてほしいみたいな、女ではなく母でいてほしいみたいな。これは多分主婦の方全般に思われることだと思うので、だから変な話、夫婦仲も悪くなっていたりがあるんですね。
男と女ではなく、父と母になってしまってそこのコミュニケーションじゃなくて子どもを通じてになっちゃう。結構外国を見ると、夫婦がメインなんですよね。だから子どもを親に預けたり、どこかベビーシッターに預けたりしてデートに行くとかいう、2人のコミュニケーション。
これ罪悪感とか無いんですよね。
全然ない。それに誰も文句言わない。でもどうしてもシングルマザーだと、彼氏が居るって言っただけで、何この人子どもほったらかしてるのって思われたり。
本当そうですよね。児童扶養手当で彼氏ができると受給出来なくなったり。
変わった考え方だね。でも中には、彼氏が居ますって窓口に言ったら、ええー!と言われちゃったケースも。
ね、不思議ですね。お付き合いしているだけで生活を支えてもらっていると解釈されてしまう。
失礼ですよね。だから私が凄く思うことは、恋愛っていうのは生きていたら当たり前にある事じゃない?だから、恋愛とその生活とか生活力、経済力を混ぜない。
最初に結婚した時はそれが当たり前だと思うから、夫婦でお財布が1つになったりとか、役割分担とかあるけど、シングルマザーになったからには、この子はもう私の子ども。育て上げるまでは、私の生活に含まれている子だから、もし私が恋愛したとしても、 もし一緒に住んでもね、生活のお金を混ぜない。
依存するのではなくてっていう感じですよね。
そうそう。だからそこは分けた方がいいのかな。
むしろ依存し合わない良い関係が創れるかもしれないですね。
あとね、私は凄く思うんだけど、1人との関係って難しいんだよねやっぱり。女1人男1人の関係って難しくて、仕事もあるし。
私は、仕事と子育ての両立よりも会社経営と音楽活動の両立。両立っていうことに関して色々研究してきたわけ、今まで。それを考えると、自分のやることが沢山あって、たった1人の男性と関係を深めることがとっても難しい。だから恋愛相手は沢山いたほうが良い。
そうなんですか。
そうきたか。
そうそう。そんなに一緒に住むとかじゃなくて、デートが出来るぐらいの。
なるほど。ご飯一緒に食べましょうという。
うん。そういう人が沢山居て、楽しく生活している方が楽かなっていうのが、私がシングルマザーになってからのライフスタイルですね。
素敵素敵。
結構忙しそうじゃないですか。謳歌していますよね。
その楽しい感じって必要ですよね。
だから、自分に彼氏がいて一週間に1回でも会ったりしてご飯食べたり、全て無理のないっていうか。そういう時間があるから子どもにも優しく出来るし、仕事も頑張れるとか。人それぞれじゃないですか、だから自分がいい感じに。中には傷ついちゃって離婚でもう本当にしばらくはっていう人もいるし。
もう男性みるだけで手が震えちゃうっていう人もいますよね。
いますよね。そういう人たちはまずちゃんとケアをしていけば良いし。
とにかく私はね、男性に経済依存しちゃいけないと思う。
それは思う。
私も本当にそう思います。経済も精神も。
これが結婚していても、これからはそうあるべきですよね。
今現在独身の女性にも伝えたいメッセージだね。
私は子どもをそうやって育ててきたので、うちの子どもたち働いています。
素晴らしい。今、若い人の中で専業主婦思考が強いっていいますけど、危険なことでおそらく離婚率が上がるんじゃないかと思ってしまうんです。
そう。結局男性の負担にもなる。男性の職も減っている中で、ある程度の生活水準に日本人はなっているから、落とせないんですよね。
さっきの教育費の話でもそうだし、20年前より大学進学率が2倍になっていて、学費も凄く高くなっているのに年収が同じなんですよね。20年前と変わっていないっていう現状の中、進学の教育費の問題ってシングルマザーに限らず全ての家庭の課題ではあるので、これはやはり女性も経済力を持つということで解決してしまうことかなって思う。
日本シングルマザー支援協会の柱が稼ぐ力をつけることと、あとは再婚という幸せっていうことも。
そうなんです。協会として3つ最初からコンセプトを持っていまして、それが
「稼ぐ力を養うこと」
「共感し合えるコミュニティー」
「再婚という幸せ」
なんですね。
この3つに何でしたかというと、全ての女性は多様化していて、それぞれの女性の考えにある程度合った人生を歩んでもらいたいという中で、多くは稼ぐですけど、稼げている人もいるので、それでもやはり同じ当事者同士っていうようなコミュニティーを絶対持っていた方が、当事者じゃない人のコミュニティーも上手くいくと思っているんですね。
やっぱりそういう中で、家庭を一番にしたいっていう生き方も日本はあるので、ここを重視したい人は、もう一度新しい家庭をね、ちゃんと。
でもやっぱり再婚するときに、次は依存しないっていう意識を持ってほしいなとは思う。
そうだよね。シングルマザー同士のシェアハウス、ペアレンティングホームの中でね、日々色んなことが起きるじゃない。あんまりトラブルとは言いたくないんだけど、時々相談とかがあるわけ。
どうしてもAさんBさんCさんDさんてお母さんがいて、AダッシュBダッシュCダッシュDダッシュてそこにお子さんがいて、子ども同士の喧嘩もあれば、お母さん同士もあって、どうしてもあの人の後にトイレに入ると拭き方がいやだとかね。
細かなことで言えないとか。
そう。でもそのシェアハウスで一緒に暮らすっていう経験をみていると、もの凄くプラスに変えている人たちっていてね。 他人と暮らすのってこんなことだったんだって、改めて分かったって言ってくれて。
本当にタオルの使い方からスリッパの脱ぎ方、お皿を洗った後の処理の仕方も違う。私はかつての夫に対して、あんなことでいらいらしていたのかという風に、他人てこんなに違うんだなっていうことを。
結婚しているとこっちが正しくて相手が間違っていると思いがちだけど、5人いれば5人やり方が違ったり。
そうそう。そこで自分の許容の範囲が広がって、 今度の結婚は本当に上手くいくと思うって。新しく出会った人と再婚して本当に幸せになっている人もいるのね。
物の片付け方だけじゃなくて、やっぱり人間は温もりが欲しいわけだから、そのシェアハウスで一緒に住んでる同性同士の中でさ、仲良しさんが出来たり、凄く相性の悪い人が居たりだとか、そこでまた自分の人とのコミュニケーションの取り方とかそういうことを学ぶわけじゃない、経験するわけじゃない。
もしこれがね、離婚して1人になった、また次に付き合った人がいた、男性と一緒に住んだ、また別れた。また次のってなっていくと、やっぱり女性も傷ついていく。
それだったらシングルになった時に、シェアハウスの中に入ることによって、自分以外の人間の暮らしをもう一度みて、あ、自分てこんなに出しゃばっちゃいけないんだなってことだったり、自分はもっとこういう風に表現するべきなんだなとか、そういうことを一旦ね、恋愛とか男女関係とは違うところで経験してもらって。
それもいいかも。
そう。そこからもう一度、じゃあ母子で、普通に部屋を借りて出て自立の生活をしていくも良し。パートナーが出来て結婚するも良し。入籍はしないで一緒に協力するも良し。
ね。選択肢は色々ね。
そう。ある意味ね男の人と別れて、またすぐに男の人にいっちゃうよりも。
それは危険ですよね。
そうなんです。1回そこでねシェアハウスに住んでいるって言ったらさ、家に来れないじゃない。
確かに、何かこうズルズルにはならないですよね。
そうそう。来れなくなるし、だったらデートするためにどっか外でって、そのくらいのことをちゃんと考えてくれる相手とだったらデートしてもそれ以上の関係になってもいいかも。
確かに!なんか子どもを変に巻き込まなくて良いかも。あまり初期の段階で巻き込んじゃうと、ちょっと後々っていうこともありますもんね。
上手くいくとも限らないしね、まだ最初はね。
そうそう。だからそういう時も、そのAさんの子どもをBさんが、じゃあ今日は一緒に遊んで待っててあげるからデート行っておいでって言って。お泊りになっても良いよみたいな会話がね。
それは良いですね。親にそれは頼めないですよね。
そうそう。で終電くらいで帰ってきて、お泊りにならなかったわよ〜なんかいって、そういうのもありますね。
なるほど、シェアハウスは恋愛にも良い。
協力し合う場所としてね。
素晴らしい。

第8回に続く

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この対談のメンバー

  • 波柴 純子さん

    子供が3歳の時にシングルマザーとなり、お金の不安がきっかけでファイナンシャル・プランニングに関心を持つ。
    それまで苦手だったお金・制度の知識を学ぶとことで日々の暮らしが安心に変わるのを感じ、これを他の人にも伝えたい、と転職を決意。

    金融機関のファイナンシャル・アドバイザーとして約7年の経験を積む中で、子育て世代の多くが抱える未来への漠然とした不安をなくすには、お金のリテラシーを持つことと同時に、自分の価値観を明確にすることが必要だと確信するようになる。

    2013年に独立し「私が未来をデザインする」という想いを込め、Cras-i design(クラシデザイン)と名付ける。
    シングルマザーや起業家など、本気で自立したい女性にを対象に、個別相談・講演・執筆活動を行っている。
    プライベートでは2015年に再婚、第2子を出産。

    Cras-i design(クラシデザイン)ファイナンシャル・プランナー
    一般社団法人 日本シングルマザー支援協会 理事
    一般社団法人 ウーマンズ・エンパワメント協会 理事
    一般社団法人 日本女性起業家支援協会 コーディネーター

  • 江成道子さん

    1968年8月生まれ
    一般社団法人日本シングルマザー支援協会(横浜市)代表理事
    一般社団法人ウーマンズエンパワメント協会(横浜市)代表理事
    株式会社マーチ(中央区)シングルマザー事業部部長
    シングルマザーの支援を通して、企業や行政との連携の中で、支援とビジネスの融合を目指し活動。2014年8月にはシングルマザー向けの就職イベントを横浜で開催。会員数1300名を超え、日本で最大のシングルマザーコミュニティを運営し、ソーシャルアントプレナーとしての役割を担う。

  • 石尾ひとみさん

    シンクタンク「環境企画研究所」勤務を経て、1988年よりフリーランスで執筆活動を開始。

    スキューバダイビング、マウンテンバイクなどの趣味を活かして、レジャー施設開発プロジェクトに多数参加。「女性関連市場」をメイン・テーマとする。「女性の仕事と育児の両立」「男女参画社会の実現」などの問題に深くかかわる。

    自らワーキングマザーとして仕事を続けてきた経緯から、「働く親の現実に則した保育環境の実現」を目標にかかげ、2000年「こどもの森ほいく舎」を開設。
    福祉の枠を超えた民間による保育のあり方を提言している。

    執筆・セミナー講師・教材制作・調査・取材などのプロジェクト運営と並行し、保育園の園長を担っている。

    2012年、シングルマザーとその子ども達のためのシェアハウス「ペアレンティングホーム」のコンセプトメイキング、運営にかかわり、多数のマスコミに取り上げられた。
    「ペアレンティングホーム」は、第8回キッズデザイン賞の「子どもの産み育て支援デザイン 個人・家庭部門」に入賞した(2014年)。

    また、ジャズシンガー「 ‘s Honey」(スハニー)として音楽活動を続けており、2010年ジャズレーベルart of spirit(s) よりアルバム「La,la,mu」をリリースしている。