マザーポート特別対談大丈夫!子どもの不登校とシングルマザーであることは関係ない。
子どもの不登校とシングルマザーであることは関係ない。
第8回 「子どもの不登校、社会との関わり」
- 江成さんの協会は、シングルマザーの相談を色々受けると思うんですけど、意外と多いのがお子様が不登校とか、社会との関わりに何かを持っているみたいな方いるじゃないですか、そういった方にアドバイスはありますか。
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うちも5人のうち1人が不登校で、中学1年生の夏休みにちょっとしたことで友達と喧嘩してから1年半行かなかった。
ただ、実はコミュニケーション能力が低いっていうか、私たちからしてみると、保育園の時からその子がちょっと普通の子と変わってるというのはある程度分かっていたので。
ただ、周りに合わせていて、それが本人は結構頑張ってたわけですよ。普通にみえるけど。
私たちはそれに気がついていて、中学上がった途端、部活が始まった、勉強も大変になった、それでお母さん、テストとかあるみたいだよみたいな。それに向けていい成績もとりたい、もういっぱいいっぱいになっちゃって。
原因は友達との喧嘩だったんだけど、学校の先生はいじめじゃないかとか凄く色々言ってきて、戻そう戻そうとしてくれたんだけど、もう誰も悪くないです。彼女の問題なので、うちはほっといてもらっていいですかと。
- 素晴らしい。
- もう好きなだけ居なさいって言って。そうすると、どんどん明るく戻っていって、その内に先のことも考えなきゃいけないからと思うようになって。どうするとか言うと、今結構不登校が多いので、市がやっている不登校の子が通うような学校というか施設があって、そこに通うようになったら、なんかお母さんね、そこに居る人たちみんな口が軽いのとか、みんな変だねとか。 お前もな!って思いながら。
- 余裕のあるお母さんだったからまた自分なりに回復ができたのかな。
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基本的にね、不登校の子と発達障害っていうのが意外と密接な気もしなくもない。うちなんかもそうだけど、ある程度は関係していることもあるのかな。
やっぱり個性として、一般的な社会で、学校行くの当たり前でしょっていうのが苦しい子もいる。
行った方がもちろん良いんだけど、行けない理由っていうのを親が理解してあげていれば本人が苦しまなくて済むかなっていうのは思ってる。
- うん。うちは1人親だから凄く色んなことを思われるんじゃないかと考える方も多いですよね。
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そっちに向かっちゃう人がいるの。
うちの子が不登校なのは私が離婚したからだとか、パパが居ないからだとか、全然そんなことじゃないでしょうっていう。
母と子のたった2人の親子だったら、その関係性を見直した方が良いかもしれないけど、 そこは分けて考えて、 もし子どもがそういう態度、行動でお母さんもっと僕を見てとか私を見てとか、そういうことを発しているならば気づいてあげるだけの話なので、そんなに難しく考えることは無いかなって思ってる。
- 石尾さんどうですか。
- 私は、私自身が不登校だったの。
- え!そうなんだ。
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そうなの。不登校がこんなメジャーな時代じゃなかったから、凄く勇気がいったんだけど、どうしても行けなくなっちゃったことがあったのね、中学生の時に。
1日行けなくなると次の日も行けないし、1週間行けなくなるともう行けない。その時はちょっと転校した先で不登校になっちゃったわけ。だから父親が元の学校に戻った方が良いんじゃないかっていうことを、力ずくでやってくれて、その後頑張って行けるようになったんだけど。
- 素晴らしい。
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そうそう。ちょっとそういう人間関係が苦手な面が自分もあったからか、やっぱり息子が中学生の時にちょっと行かなくなった現象があって、その時もとにかく行くんだよ、行きなさいっていう風にはしなかったんだよね。
それが苦手な部分なんだなっていうところは、十分に認めていたけれど、行くとほら摩擦があるじゃない人間関係。それを避けるために行ってないんだなっていうのが私も分かっていて。
それでも先生や私がいけいけって言ってもね、解決するもんじゃないと思ったの。
- その通り。
- だからモチベイティブペアレンティング。
- なるほど。
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要するに、自分の人生のために何をしなきゃいけないのか、何をするのか、それを考えてその結果が、その中学校に通うってことであれば行くだろうし。いや、必要ない、中学行かなくたって俺立派に生きてみせると思って行動したんだったら、それでも良いし。
結果は私にも分からない、息子にも分からない。だからそれは一緒に結果を出そうねっていう感じで行かない日がほとんどだったの。
ちょっと凄く変わった不登校でうちの息子。行くと明るいの。行くと明るくてサッカーとかやってて。お前なんだか訳わかんないねって友達から言われるんだけど、なんで来ないんだよって。行けば楽しいし、ただ朝が苦手だったんじゃないかなって。 結局通信制の学校に行った時に、不登校の子たちがいっぱい来ているわけですよ。
- 今、不登校の子の学校があるんですよね。
- そうなんですよ。で、ちょっと自分そういうのと違うんですけどみたいな感じでスクーリングは行っていたけど、結局その後、針灸師になる学校に行ったら無遅刻無欠席。
- もう本当にやりたいこと。
- そういうこと。だからそれはそれで彼の歴史の1つとして、凄く私も気に入ってる。
- シングルマザーに限らず、学校だけが全ての世界じゃないってことを親に伝えないとですね。シングルマザーはシングルマザーで自分を責めないというか。
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シングルマザーであることは、全然原因じゃないです。その子の個性だし、今、高校も頑張って行っているんだけど、やっぱりなかなか彼女いわく起きられない朝があるという。
ただ単位なので中学と違くてクビになるんだよってことは教えてあって、先生にもごめんなさい、私も忙しいので起こしても起きない日は起きないので、私に電話されても困りますって。
ただ単位の数だけ、先生と私と彼女とで共有しているんですけど、面談の時にやはり学校に3日来ないと4日目に来づらいかなとか先生が気をつかってくれる。でも彼女は全然平気なんですよ。教室で1人、休み時間に音楽を聴いていると、先生は、だから来たくないのかなって思うんだけれど、それも関係ないんですよ。
- 先生デリケート。
- それで相談されたので、いやそういう子なんです。そこは一切心配されなくて大丈夫ですよ。全然1人でいても何でもないし、1人でいることのが好きなんです。オタクなんです。っていう話をして、あ、それを家庭で理解してくださっているなら、分かりました。安心しました。って言ってくれたんですけど。
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だからシングルマザーと不登校の関係性っていうのは、特に色濃い物はないと思うけど、1つ言えるとしたら、子どもにそういう状況が起きた時に、両親揃っていたら2人で相談できるっていう。ただそれが、もし夫婦間の会話が成り立たないような夫婦だったら、余計にお母さんだけが抱え込むような問題になっちゃう。
お父さんから一方的にお前何やってんだよ、子育てのことはお前に任せてあるじゃないか。みたいなね。そういうので困ってるお母さんも凄く沢山いると思うんだよね。
だからシングルマザーとの関係性っていうのはそんなに色濃い関係性じゃないと思うけど、いずれにしても、親なら誰でもそうかもしれない問題だから。
- その時に抱え込みすぎないように。
- あと第3者の目を気にする必要は無いですよね。その子と、親なら親。
- そうそう。だからそういう意味ではシンプルで良いんだよね、シングルマザー。
- シンプルで良いと思う。あ、行きたくない子なんだとか、その子なりの人生を歩まれているわけだから。
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元々あの家は母子家庭だからとかさ、シングルマザーだからそうなんじゃないかとか、いわれもないことに慣れているじゃない。
だから子どもが不登校になったくらいで、どんな顔して近所歩いたら良いのかしらとか、そういうのが無いんだよね。
- 全然気にならないです。
- 私たち気にならないけど、いちいち気にする人もいるから。
- でも気にしている方が凄く多いのは事実ですね。
- そういう人は楽になってください。
- それしかない。
- 大丈夫!
第9回に続く
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